薫る春風に身をあずけひとり転寝のやすらかさあふれゆく想いを綴じれば涙流すほどに滲む約束を交わして果たせないまま暮れてゆく今日の日を許せよさくやかぜ吹きわたり凍る大地へ、あの空へ白い両手に咲き零れている儚い祈り届けておくれ夏の夕暮れに舟を出そう甘い水蜜桃の実をあげよう秋は黄金色の荒野に幼い日の影をさがして冬越えて雪どけまた立ち止まる押し花の栞はどこへさくやかぜ吹きわたり心満たされ、せつなくてめぐる季節は身体すり抜ける痛みさえ忘れさせるほどにさくやかぜ吹きわたりうつろう日々よ、思い出よあどけないままの愛し横顔幾度も心に思い描く尽きることなきかなしみよ切ない願い、叶うならどうか追風よ吹いていておくれ新しい朝迎えるためにいつか涙さえ癒される日にも優しい風が止まぬように