春の裏に溶けた 物言わぬ夜半の月誰か聞いているの 人知れぬ夜の声を日和や 恨めしや雲居に 踏み染む足音夜な夜な 指折りて連なる 化生の葬列骨まで咲いた大輪の花が 今 空を飛んでいるよ開いて在りし日の意味を 置き去りし青い空を誰が知っているの 人ならぬ者の闇を徒然 恨み言要らない道具など無いのに紫抱いた小春日に揺れて 落ちる影増えていくよ彷徨う妖はまるで 意味さえも亡くしたように結びて 恨めしや覗かす 道化に隠れて間に間に 打ち濡らす袖にも 等しき願いを“雨乞い” 開くことのない花が 終着へ轍を踏む降らない空に降る涙 振り向いて忘れないで嗚呼 御覧 百の鬼達が 我先と飛んで行くよ握った指を交わす人 打ち棄てた青い空を恨めしきあの美空を